やぁ、また会ったね。春川です
今回は「新海 誠(しんかい まこと)」さんが監督を務め、世界中で旋風を巻き起こした大人気映画「君の名は。」について解説をしていくよ。

先に言っておくけど、めちゃめちゃネタバレ注意!
映画「君の名は。」は新海監督の代名詞とも言える、繊細で写実的なタッチの中に、どこか幻想的な雰囲気を滲ませる作画が特徴だね。

絵だけでも充分に楽しめる作品だとは思うけど、細かい描写を理解すると、
「作画はもちろんだけど、設定もかなり作り込まれてる作品」
だってことがわかると思うよ。もちろん、作品もより楽しく鑑賞できるはず。
今回は「君の名は。」のストーリーの中でも、主人公の二人に起こる「入れ替わり現象」や「タイムラグ」について詳しく説明していくよ!

確かにあの「タイムラグ」に気づく場面って、ちょっと混乱するのよね。
時系列がちょっとぐちゃぐちゃになるわ。

今回は、その辺りを分かりやすくするために、図を用意したからチェックしてみてね!
映画「君の名は。」の概要
まずは、映画の簡単な概要をおさらいしよう。
映画「君の名は。」は東京に暮らす男子高校生の「立花 瀧(たちばな たき)」と、岐阜・飛騨に暮らす女子高校生の「宮水 三葉(みやみず みつは)」の二人が中心の物語だよ。
二人の間に生じた入れ替わり現象を通じて、二人の心の交流を描いていくんだけど、この入れ替わりが実はそう単純な話ではない。

ここが「ありきたりの入れ替わり映画」とは一味違うところだね。
詳しくは後ほど解説していくけど、瀧と三葉の生きている時間軸には誤差があり、同じ世界の同時刻に存在していたわけではないんだ。
今回は、ここら辺を詳しく解説していくね!
「君の名は。」で入れ替わる二人のプロフィール
「君の名は。」で入れ替わり現象を起こす主人公の二人のプロフィールを確認してみよう。
立花 瀧のプロフィール

まずは瀧くんのプロフィールからだ!
- 名前:立花 瀧
- 年齢:17歳(2016年時点)
- 誕生日:12月1日
- 居住地:都心
- バイト先:イタリアンレストラン
- 学校:東京都立神宮高校
- 捕捉:父親と二人暮らし
- 声優:神木 隆之介
こんな感じかな。
瀧くんは、友達とイタリアンレストランでバイトをする普通の男子高校生だけど、真っ直ぐな性格と大胆な行動力が魅力だね。
家の伝統などを気にしてか、自分の気持ちを抑えがちなシーンがある三葉と入れ替わった時は、性格の違いから起こるハプニングも面白かったね。
声優は大人気俳優の「神木 隆之介」さん。

もうこれだけで「君の名は。」を見に行く人が増えそうなキャスティングだよね。
宮水 三葉のプロフィール

次は、世界中の男性を虜にした三葉のプロフィールを紹介するね。
- 名前:宮水 三葉
- 年齢:17歳(2013年時点)
- 誕生日:12月1日
- 居住地:糸守町(岐阜県高山市がモチーフ?)
- 学校:岐阜県立糸守高校
- 声優:上白石 萌音
- 補足:宮水神社の巫女、祖母・妹との3人暮らし
こんな感じだね。

この辺の年齢の部分からちょっともう怪しいわ。

後で詳しく解説するけど、簡単に言えば、瀧は三葉よりも常に3年先の時代を生きているから、西暦を基準に比べると三葉の方が3歳年上なんだ。
三葉の生活圏であり、物語の中で重要なポジションにある「糸守町」のモチーフは岐阜県の高山市周辺であると思われるよ。

写真は、映画に登場する神社のモデルとなったと言われる「日枝神社」の様子だよ。
雰囲気的には三葉が住んでいる、糸守町にかなり近いものがあるね。
声優を務めた「上白石 萌音」さんは挿入歌の「なんでもないや」をカバーをして話題になったね。
透き通った心地のいい声だ。
瀧と三葉に起こる「入れ替わり」と「タイムラグ」の解説
さぁ、ではここから本題の「入れ替わり現象」と「タイムラグ」について解説していくよ。
入れ替わり現象はなぜ起きるのか

まずは物語の核心である「入れ替わり現象は、なぜ起こるのか」を解説していくよ。
なぜ、住む場所も時間軸も違う三葉と瀧の間に「入れ替わり」が起きたのかというと、そこには三葉の家系である「宮水家」の家系が鍵になっている。
三葉の祖母に当たる「宮水 一葉」は作中で、
わしも少女の頃、不思議な夢を見とった覚えがある
夢で誰になっとんたんか、今では記憶はもう消えてしまった
わしにも、あんたの母さんにもそんな時期があったで
映画「君の名は。」より
という台詞を残している。
つまり、三葉の家系である宮水家は、「入れ替わり現象を代々起こしては、成長につれてその記憶が曖昧になっていく」という不思議な運命を背負った家系なんだ。

そういう設定なら、これ以上深掘りしても仕方ないわね。「そう言うものだ」って解釈するわ。
でも、入れ替わることに「なんの意味があるか」は謎が残るわね。
入れ替わり現象にはどんな意味があったのか
次に「入れ替わり現象には、どんな意味があったのか」について解説していくよ。
実はここはそんなに難しくないので、まずは結論から言うと、彼らの入れ替わりには「宮水家や糸守の地を守る」と言う意味があるんだ。
ちょっと突飛な結論だけど、なぜ彼らがそんなことをしなければならなかったかと言うと、そこには三葉の実家である「宮水神社」が関係している。
三葉が巫女を務める「宮水神社」は糸守町に古くからある、いわゆる土地神な存在。
過去に彗星の落下によって甚大な被害を被ったことがある糸守町の守り神は、自分と繋がりを持ちやすい「宮水家の巫女」を通して彗星の落下から糸守の地や民を防ごうとしているんだ。

彗星は物語の中でもかなりキーとなっている存在だね。
遥か昔、彗星の落下によって現・糸守町周辺は壊滅的な被害を受けたんだけど、その名残が作中に登場する「糸守湖」だ。

瀧と三葉が入れ替わったのには、「1200年に一度、地球に接近して大きな爪痕を残していく彗星の被害から、自分の住む土地や宮水の人を守ってほしい」と言う土地神の意図があったんだね。

「彗星から糸守の地を守る」と言う意味があったからこそ、瀧と三葉の住む時間軸は3年のタイムラグがなければいけなかったんだ。
同時刻に存在していたら、瀧が彗星の接近を知った所で何もできないからね。
タイムラグはこんな感じで起こっていた
ここからは瀧と三葉の「タイムラグ」に関して詳しく解説していくよ。
ここで押さえるべきポイントは、
- 瀧は三葉より3年先の、三葉は瀧より3年昔の時間軸で生活している
- 3年のタイムラグがあるから、彗星が衝突した2013年10月4日の3年後に入れ替わりがなくなる(三葉が死んだから)
という点。それを踏まえてこの図を見てみてね!
こうして図にしてみると、三葉が瀧に会いに行ったけど、「誰ですか?」と不審がられたのも納得がいくね。

厳密に言えば、三葉の能力は「入れ替わり」と言うよりも「他の人の体に入って予知夢を見る」ものだったんじゃないか、とも言われているよ。

確かに、入れ替わっていた2016年の瀧からしたら、三葉や糸守は彗星の衝突の犠牲になったという確定事項だけど、
三葉からしたら、瀧は未来にいるわけだから、生きているかどうかもわからない存在ってことになるわよね。

その通り。作中の2016年を生きる瀧が進んだ未来を「世界A」とするなら、瀧が進むかもしれない未来は、「世界B」「世界C」「世界D」……と無限に広がっているんだ。
そう考えると、三葉のしていたことは「入れ替わり」以上の能力なのかも……とも考えられるね。
まぁ、本編の理解にはそんなに重要じゃないんだけどね。
タイムリープで何が起こった??
先ほどの画像で紹介したように瀧はタイムリープをすることで、三葉や糸守町を守ろうとする。
三葉が生前に作った「口噛み酒」を飲むことでタイムリープが起こり、三葉が死ぬ前(2013年の10月)に戻るんだ。
タイムリープを解説する上で抑えて欲しいポイントは以下の通り、
- 三葉が死に、瀧が三葉を探して口噛み酒を飲むとこまでは「世界A」
- 口噛み酒を飲みタイムリープが発生、3年前(2013年の10月)の「世界A」に瀧が干渉する
- 瀧の干渉によって三葉が死なない「世界B」が始まる(世界Aは消滅)
ちょっと長くなっちゃったけど、この辺を抑えて図を見てみよう。
瀧はタイムリープによって、三葉が生きている時間に戻り、三葉の友達たちと彗星から糸守町を救う計画を立てるんだ。

瀧が生きている2016年は、「入れ替わり」を起こすことができる三葉と糸守の土地神は消滅してるから、「入れ替わりは」起こせない。
でも、口噛み酒(三葉の半身)を飲むことで、瀧の方から過去に干渉していったんだね。
このタイミングで2013年の彗星衝突前に戻るわけだから、三葉も2016年の瀧と入れ替わる。

ここまでくれば後はわかりやすいわね。
カタワレ時に時間軸が違う二人が出会い、瀧が三葉に計画を伝える。
自分の体に戻った三葉は、計画を思い出しながら実行する。
彗星衝突回避で、「三葉が死なない世界B」始まるわけね。
まとめ
今回は大ヒット映画「君の名は。」の「入れ替わり現象」と「タイムラグ」について解説してきたけどどうだったかな?
おさらいをしておくと、
- 瀧は三葉の3年後を生きている
- 3年前の時間軸を生きている三葉が死ぬことで、「入れ替わり」が起きなくなる
- 口噛み酒で瀧が彗星衝突前の世界に干渉する
- 未来が変わっていく
こんな感じで「入れ替わり」と「タイムラグ」が起きていたんだね。
僕も一回見たときは整理が追いつかなかった場面があったけど、まとめた上で映画をもう一度見てみると、かなり気持ちが良かったよ(笑)
ちなみに「U-NEXT」の無料登録では「君の名は。」が無料で見れちゃうよ。

実際のところ、三葉の能力が「入れ替わり」じゃなくて、単純に過去に戻る能力だったら、こんな解説はいらなかったんだけどね。

最後に身も蓋もないわね……。
ぜひ、この記事で復習しながら映画をおさらいしてみてね。